【城戸編134】城戸に当てればパリーグ儲かる
補欠の補欠のそのまた補欠でオールスターに出場してしまった「アジアの併殺魔」「4億の不良債権」ことイ軍の4番城戸。
その城戸がセリーグの5番1塁として先発したこの試合、パリーグ王者ダ軍のエース平田は、城戸に対してとてもお祭りとは思えぬ容赦ない内角攻めを展開。この突拍子も無い流れに、
「フッ、パリーグの連中必死過ぎ乙wwww セリーグの至宝である俺にぶつけて注目を集めようなんざ、平田の野郎、不人気チームのみっともなさ全開で泣けてくるぜ」
城戸の勘違いもお祭り級になっていたものであるが、あまりにも続く際どい球に、セリーグ監督であるバ軍監督下田の我慢が限界を突破。たまらず打席の途中で代打を送ったのであった。
「おいおい~、いくら俺が球界の宝だからって、下田のとっつぁん気を遣い過ぎ~。ま、これがVIP特有の辛さってとこだろうな」
この人は一体何を言っているんだろう…。
パリーグ捕手と球審を唖然とさせながら、城戸は代打に出てきたサ軍岡野に何の参考にもならぬアドバイスを垂れつつ、ベンチに戻っていったのであった。
一方その頃、全セベンチ内、平田とバ軍コーチ澤城。
「パリーグの連中、例年以上にあからさまにウチを標的にしてやがんなあ」
「ええ、セリーグでイ軍を一番カモにしてるのは我がバ軍ですからね。その原動力である併殺魔城戸をノックアウトして、バ軍のセリーグ優勝に不利な条件を整えるという、手段を選ばぬ凄まじい嫌がらせです」




