【イ軍編3792】審判団にクイック練習させた男たち
最弱イ軍の試合を担当した審判数名が、極秘裏にクイックの練習をしている――――とかいう怪情報が、球界を駆け巡ったものである。
「アカン、爆炎投手陣のヒョロガバ球を一試合に100球以上見せられて、これなら自分もワンチャンてな感じで現役復帰しようとしとる可能性が巨レ存どころじゃない(震え声)」
「実際、もしクイック練習しとる何人かがイ軍入ったらよ、戦犯系ベテランズよりキレのある球を投げてチーム防御率が結構マシになりそうなんですがそれは(確信)」
てな感じで、イ軍オタは憶測が捗りつつ無駄な希望を見出そうとしてしまったのであるが、残念ながら真相は戦力アップではなく、試合進行最適化の方向に存在していたのであった。以下、クイック練習を終えて審判数名が感想戦で曰く、
「今まで気付いとらんかったのが惜しいぐらクリチカルな取り組みでよ、これならイ軍戦でメンタル削られずに済みそうやで」
「イ軍の試合は爆炎投手陣が魔制球過ぎて異常に長いから、クイック判定フォームで少しでも時短――――という名目で、ボール球を無理矢理ストライクにする罪悪感も、最小限に抑えられますからね」