【イ軍編102】予告先発詐欺の真相
予告先発で本来は新人投手が先発だったのだが、アクシデントによりエース相原が緊急登板――。
このような「サンドバッグ系投手と見せかけて土壇場でエース投入」的な、イ軍のあからさまな奇襲攻撃も、今シーズンで早6度目。
対イ軍で、他の投手なら無対策でも何とでもなるが、エース相原登板となるとそれなりの準備が必要となる為、
「そこまでして勝ちたいのかコノヤロ!!!!」
と、相手チームから大ブーイングが展開されたものである。
一方その頃、イ軍のパネマジ広報白井とその部下。
「クックック、別に試合に勝ちたいからっつーワケじゃあねえんだよなあ。他チームの奴ら、完全に騙されてやがる」
「ええ、先発を読み切らせない為にも、相原を中4、5、6で不定期に先発させてますから、調整で苦労する分、イ軍が勝つ確率はむしろ落ちてます」
「ああ、奴が先発する試合がバレると、イ軍としては非常にマズいからな」
「はい。相原登板試合は相手チームが勝てる確率がグッと落ちるので、予告先発で名前を出すと、チケットの売り上げに響きますからね」
「うむ、他球団ファンが客の9割を占めるイ軍だと、その辺にまで気を使わないと苦しいからなあ」




