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【城戸編133】過去の栄光に勇気づけられた結果!
「アジアの併殺魔」こと4番城戸の凡退を、どうすれば阻止出来るのか。
FA加入時に超大型契約を結びながらも、ここぞの場面での併殺に悩まされ通しのイ軍首脳陣は、ある秘策を投入。さる高名な心理学者の指示の下、オーロラビジョンにサブリミナルで投入、更には城戸のヘルメットに城戸名場面集の音声を仕込むという手を打ったのである。
果たして試合開始。
1回裏、1死1、2塁のチャンスで打席に向かう城戸の表情は、通常の10倍は明るく、またテンションも上がっているのが見て取れたものである。
今度こそやってくれるんじゃないか。
そんなイ軍首脳陣の期待は、すぐと失望へと変わった。やる気のある様子とは裏腹に、初球併殺であっさりチャンスを潰してしまったのである。
そう、確かに城戸はいい気分になっていた。
だが、かつての栄光に浸るあまり、うっとりし過ぎて肝心のプレーは超おざなりになってしまっていたのである…。




