【イ軍編95】相手先発に総合力で完投を許さないイ軍
どこからでも併殺が飛び出す「切れ目しかない打線」を誇る東京新宿イディオッツ。
そんなセリーグのボーナスステージ、各チームの投手が完投完封を多発させるイ軍戦であったが、今シーズンは風向きが変わっていた。以前なら間違いなく先発投手が完投していたであろうケースでも、7回8回あたりでリリーフに継投する場面が数多く見られるようにうなったのである。
「フッ、セ5球団の監督連中、俺らの底力に恐れをなしてるってワケか」
「お望み通り、そろそろ本気出してやるとするか(※結局打てないのだが)」
等々、自分に都合のいい解釈をする事に関しては天才的なイ軍ナインは、相変わらずのおめでた過ぎる勘違いをカマしていたのだが、当然真相は違うのであった。
以下、セリーグ某チームの首脳陣の会話――。
「うーむ、イ軍戦はリリーフ投手休憩所ぐらいの感覚でいたが、先発投手には思わぬ落とし穴だったとはなあ」
「ええ、イ軍打線を抑える事自体は何の問題も無いんですが、今年は例年以上にイ軍投手陣が大炎上してますからね。攻撃の時間が異常に長くなってしまう上に打席が何度も廻ってくるので、こちらの先発投手が調子を狂わせてしまうんです」
「イ軍以外の試合の事も考えると、勿体ないけどリリーフ投入も止む無しだわな」




