【不二村監督編⑪】夢采配が黒い企み打ち砕く
今年のオールスター、セリーグ監督は前年優勝のサ軍岩井が予定されていたが、ここ最近のチーム不調による自棄酒が祟って緊急入院。至急、代役を立てねばならぬ事態となったものである。
そこで岩井自身が推薦したのが、「球界の掃き溜め」ことイ軍で監督を務める「退場魔」不二村である。
「チームは最下位だが、あの乏しい戦力であれだけやっているのは立派」
等と最大限持ち上げまくり、NPB、コミッショナーらにお得意の政治力で手を廻し、強引にオールスター代理監督不二村を実現してしまったのであった。
最終的に、病室から不二村に直電を掛けて本人にも了承させた岩井は、サ軍関係者とハイタッチしたのであった。
「よーしよし、これで後半戦が楽しみになってきたで」
「ええ、何せイ軍はアンチバ軍の急先鋒ですからね。バ軍投手を酷使しまくってくれるでしょう」
「うむ、同時に、バ軍の佐田(監督)の野郎に代理監督をやらせない事で、サ軍の投手酷使を回避出来たという事だ」
「さすが岩井監督、お見事な采配でございます」
そして、オールスター開催。
前述の岩井の企みは半分は当たり、半分は外れた。
「ぴゃああああああああwwwwwwww何だこの凄いメンバーwwwwwwww」
と、セリーグ側の出場選手を見てテンション爆上がりとなった不二村が、豪華なおもちゃで遊べる時にしっかり遊ぼうとばかり、全選手をオールスター三試合に起用する仰天采配を敢行。バ軍投手をしっかり消耗させたのであるが、同時にサ軍投手も3連投を強いられ、結局セリーグ全体が疲弊しただけで終わったのであった。




