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【アームブリスター編④】覚えずのサイン
イ軍コーチ木下は頭を抱えた。新外国人アームブリスターが、全くサインを覚えられないのである。
そこまで複雑ではないイ軍のサインだが、何度教えても、アームブリスターは一向に理解してくれない。業を煮やした木下は、どんどんサインを簡略化するのだが、それでも全く駄目。
一体メジャーではどうしていたんだと問うと、
「ジブンノハンダンニマカサレテイタ」
と言うではないか。
今でこそ若干肥満体型で間が抜けた印象ながらも、メジャー200発のバリバリ大リーガーである。首脳陣で検討した結果、プライドを尊重する意味合いもあって、ひとまずノーサインで通す事になったのであった。
「サインオボエラレナイワケガナイダロウガ。オマエラノクソシジニシタガウキガオキナカッタダケダッツーノ、バーカ」
フェイクメジャー(この時はまだ発覚していなかったが)の割に、プライドだけはリアルメジャー並のアームブリスターであった…。




