【城戸編690】ダーク・エースキラー
「40億の凡打製造機」「世界の併殺魔」等の蔑称で知られる最弱イ軍の四番打者、城戸。契約上の縛りでほぼ全試合スタメンにも関わらず、ここで一本欲しいところだろうが自分の打率最優先、フォア・ザ・ミー打法に徹する打率乞食であった。その流れから、自分が苦手とするエース級投手との対戦も、規定打席割らない程度に巧みにおサボりするのが常であったが、一部のTOの間では「エースキラー」という呼称も定着していたのである。
「な、何やこのあからさまなフェイク情報は…。また城戸がマネーばら撒いて、お金大好き系野球オタにヤラセ依頼したんやろ」
「城戸がクリーンヒット打ってるの本当に記憶が無い、アンチ過ぎて記憶から抹消してるとかそういう事じゃなくて、ガチで記憶に無い(震え声)」
てな感じでライト&ミドル野球オタは混乱したのであるが、そこにはフォア・ザ・ミー打法ならではの要因が潜んでいたのである。以下、プロ野球四番打者特集的なムック本製作で、頁余りの為に仕方なくライターが先述のTOに取材して曰く、
「城戸さんは対戦エースとやる時は打率下げたくない一心でほぼバント一択なんやが、ワンチャン内野安打狙ってくると。エースはプライド高い奴が多いから、仕掛けられたらイライラMAXでムキになってアウトにしようと不自然なダッシュしてよ、それが原因で足捻ったり腰いわしちまったりで、長期離脱するケースが出とるんや。その場では症状が出ずに時間差で効いてくる事もあるんで目立ってはおらんが、城戸こそがセリーグ投手陣を破壊する、ダーク・エースキラーなんやで(震え声)」




