【イ軍編3534】爆炎投手陣とは相性最悪投手コーチ
「え~、ワイの指導スタイルは上から押し付けるのではなく、あくまでも選手に主体性を持たせ、色んな事に自分で気付いてもらう、気付かせ屋コーチであります」
という感じの今風指導に定評のある、サ軍の投手コーチ岸川。オフに首脳陣が六大学OBで固められた煽りで3軍コーチへ追いやられた事にガンギレし退団。「どうせやるならサ軍を頃せるセリーグで」と、セ他球団への入団を希望し、最弱イ軍からの札束攻勢の結果、「弱いチームの方がやりがいがある」と、イ軍入団がほぼ決まりかけていたものである。
だが、最終の役員面接で岸川が冒頭のような自己アピールを披露した結果、土壇場で契約が流れ、岸川は「球界の盟主」バ軍に加入したのであった。
「ちょ、待てよ! 岸川と契約出来るチャンスを自分から棒に振るとか、こんなの八百長編成やで!(憤怒)」
「イ軍の夜明けは近いぜよ感を返してどうぞ(震え声)、明けない夜はある(確信)」
てな感じでガンギレするイ軍オタであったが、イ軍上層部としても、割と止むを得ないギリギリの判断ではあったのである。以下、交渉に当たった編成トップによる感想戦――――
「気付かせ屋いうて、岸川はんの理論は素晴らCのは間違いないんやが、『選手に気付かせる』スタイルてのがどうしても引っ掛かっての~。こちとらの爆炎投手陣が野球を真剣に考えて一球の怖さとかに気付いた日にはよ、『こんなガバ球、もう絶対投げられん!』みたいな感じで総員イップス不可避、試合成立せずに不戦敗の嵐でこっちもセット解雇待ったなしの未来が見え過ぎてしまってなあ。『自分の球はイケてる。打たれるのは他球団が鬼マークしよってからのスパられてるから』幻想で投げてる爆炎投手陣の指導には合ってないと判断して、断腸の思いでお引き取りしてもらったんやね(震え声)」




