【イ軍編3533】モノではなくコトを売っていた闇商人
最弱イ軍の一番打者兼闇商人リバース、回顧録より――――
イ軍の戦犯系ベテランズいうたら、おサボりの魔術師揃いだけあって、楽して打ちたい・抑えたい願望が超強くてね。打者には飛ぶバット、投手には飛ばないボールがようけ売れましたわ。
それで最初のうちは良かったんやが、次第に他球団も気付いてきよってなあ、「イ軍戦犯系ベテランズがあんなガバガバボディでホームラン打てるワケがない。ノーパワー!」とか何とか言って、隙あらば用具検査みたいな機運が高まりよって、イ軍ナイン側も、これは対策せなアカンと。ほんで違法用具使っとる連中が金出しあって、「クーパースタウン日本支部」いう違法用具回収会社を作ったんや。そう、米国で野球殿堂がある町の名前よ。ほんで米国野球殿堂(偽物)が、「ォ~ン、今日の城戸さんのホームランは日米野球出場選手が打った334本目だから、野球殿堂飾るんで回収させてもらいますわ」みたいな鬼こじつけで、試合中に使った違法用具を自然な感じでその場で回収してくと。冷静に考えたらそんなワケねーやろいう話なんやが、バイトで雇った英会話が達者な劇団員が頑張ってくれて、結構みんな騙されとったわね。そんで最終的にはバレたんやが、本来は「Cooperstown」と書かなきゃならんところを、綴り間違って「Kooperstown」になっとってなあ。「コーパースタウン事件」て、当時では結構有名になったわね。ほんで秒速でガサ入れ検査されたんやけど、そこで保管されとった用具は特に問題無く、完全なシロやったと。あん時は戦犯系ベテランズから「どうやってやったんかサッパリ分からんけどアリアリアリアリアリアリアリアリアシシャスシャス!!!!!!!!!!!!!!!!!」てな感じで、えらく感謝されたわね。まあこの回顧録の売上次第でワイの老後の生活レベルも変わって来るから切り札としてネタバラシするんやが、こちとらはすり替えとかそんな事は一切やってませんと。そんな短時間じゃ何も出来ないし。でもコーパースタウンにはフツーの用具しかなかったいう事で、まあ、本当に最初の頃以降は、「これは飛ぶ(と思って振ったら飛ぶような気がする)バットでっせ」てな感じで、用具そのものというよりも、プラシーボ効果を売ってたんやね。コンプライアンスを遵守する正直者が報われる、道徳の教科書に載せたい系セールス秘話でした(適当)。




