【城戸編675】打率3割インセンティブ絶対ゲットだぜ打法!
シーズン最終盤、夏場に最下位確定以降、それまでは打率1割台でSSS級戦犯だったにも関わらず、消化試合になった途端狂ったように打ちまくっている「40億の不良債権」こと城戸。打率3割インセンティブゲットまであと一歩の状況であったが、対戦サ軍の先発で、通算対戦打率0割台の超ニガテ左腕、倉橋が登場。ここまで打率維持の為に行使してきた巧みなおサボりスキル(仮病とかエア身内の不幸とか)も、規定打席到達インセンティブの為には使うことが出来ず、打席に立って何とかせざるを得ない状況に追い込まれていたものである。
倉橋とサ軍の捕手、一塁、三塁は全員ゴールドグラブ賞受賞経験者でフィールディングに優れている為、城戸お得意の汚い内野安打は狙い辛い為、堅実に打率を落さない作戦を決意。打率3割+規定到達インセンティブゲットで収支プラスになる範囲で、腕利きの催眠術師を臨時雇用。球審に「倉橋は城戸に対して四球率100%、今まで全打席四球で来とるんやで」と洗脳し、必勝態勢を敷いたのであった。
果たして試合当日、城戸の打席で前述の洗脳ガンギマリの球審は、ド真ん中ストライクでもボール判定よゆう――――かと思いきや、
(そら確かに倉橋は城戸を超ニガテにしとって全打席四球やが、こんな異常な数値じゃあ、こちとらに八百長疑惑が飛び火する可能性が巨レ存…? バランス取ってこの試合は判定超辛めでストライク取りまくり、調停者ワイなんだメ~ン)
と、洗脳がキマり過ぎた事による保身ムーヴが発動してしまい無事死亡。打率3割を逃した城戸は、「あ、アカン、こないなったら大泣き不可避やから、打率3割達成した妄想の洗脳してどうぞ」と、件の催眠術師に依頼し、偽りのインセンティブゲットヘヴンへ突入。からの、「打率3割インセンティブゲットいう事は、連動して規定も到達しとりますからね、あとはおサボ――――いや、敢えて自分は控えに廻って若手にチャンスをあげるベテラソの鑑~」てな感じで、現実では規定到達ギリギリのタイミングで自らスタメン落ちを監督に申告(チームが強くなるので監督は大歓喜受諾)。こうしてダブルインセンティブロストを達成する、逆一石二鳥系ブーメランボールが完成したのであった。




