【イ軍編3453】魂の応援旗ディフェンス
時は9月、シーズン終盤になって、各選手がタイトルの追い込みに全力となっていたタイミングで、最弱イ軍の本塁打世界記録保持者コンビ(※打たれる方)の“風神”岸谷も、最後の戦いに挑んでいた。8月の時点で今季の被本塁打が49本となっており、高額罰金が発生する50本まであと1本。何とかそのままでシーズンをフィニッシュをするべく、エア身内の不幸、ヤラセ負傷等で登板回避していたものの、さすがにネタ切れ。逆に今度は欠場回数・投球イニング不足で罰金が発生する板挟みの状況になるに至って、投げざるを得ない状況に追い込まれたのであった。
この大ピンチで対戦するのは右も左も極限まで引っ張る打者が揃ったマ軍。そこで風神が編み出した対策は、
「デカい打球を打たれるのは仕方ない。外野スタンドの客が来た球を打ち返してホームランを二塁打にしたればええんや」
という、野球で負けてとんちで勝つ式の作戦。スタンド前列とポール際席のチケを買い取り、仕込みの偽ファンに巨大な旗を振らせ、来た球を落そうというのであった(ちなみにこの時点の経費で50本達成罰金に近くなっており意味が以下略)。
果たしてプレーボールからの初回、三番打者にレフト側への大飛球を打たれた風神であったが、ポールすれすれながらもファウル――――かと思いきや、高額日当で釣られた分はしっかり働きまっせ的な仕込み旗振りニキが無駄に頑張って旗を振りまくった結果、ボールが巻き込まれて外野スタンド内にポトリ。変則版ホームランキャッチみたいになってしまい、審判団の協議の結果、これはやっぱりホームランだろう。名判定いう事でワイらの名前も歴史に残したいし。という流れでホームラン。イ軍首脳陣も風神の罰金の使い道を考えるのに夢中でロクに抗議もせず、ここに風神本塁打伝説の新たなる一ページが刻まれたのであった(適当)。




