【城戸編659】海原○山ばりに何度もバット作り直させる日本最強打者
「40億の凡打製造機」「世界の併殺魔」こと最弱イ軍の四番打者、城戸。汚い内野安打狙いのバントがメインウエポンだけに、バットの弾きには㍉単位で人百倍は拘りがある為、メーカーに何度も作り直させる事で悪名高かったものである。
毎年シーズンオフに入ったらバットを新調するのであるが、年始あたりで決着が付けば御の字で、春季キャンプからオープン戦まで長引く事も珍しくなく、昨年は開幕前日にギリギリ間に合ったような塩梅。今季もメーカーの担当者が週一ペースでやって来ては
「ォ~ん、握った感じが何か違うんだよなあ…やり直し!」
と、突っ返されてしまい、散々やり直しを繰り返して、最終的には開幕当日の試合直前にようやくOKが出たのであった。
後年、城戸アンチ有志が城戸ディス同人誌を出版する際、件のメーカー担当者に当時の真相を取材して、衝撃の真相が判明したのである。
「城戸さんが何遍もやり直しやり直し言うてくるから、職人ニキもガンギレしよって、『一緒や! (どうせいいバット)作っても!(どうせ凡打か無意味ヒットだから)』という捨て台詞で、直し拒否しよってなあ。ほんでいよいよこちとらも困って、何かの手違いで、ダメ出しされたバットを、一週間後に間違ってまた提出してもうたんや。ほしたらダメは出されたものの、城戸さん、『先週と違って握りはOK、ただ重さがなあ』みたいな感じで全然違う感想言いよるから、これはワンチャン、イケる可能性が巨レ存…? みたいな。そんでずっと同じバット出し続けたら、最終的にOKよ。テキトーなのかフィーリングなのか、通ぶりアフォーマンス大好きマンなのか…。まあどんなバットでも3割打つから、そこは凄いわね一応。『のう、何度も作ってもらって悪かったのう。これ職人ニキにチップ渡しといてや』みたいな感じでお小遣いくれたりよ、職人は何もしとらんし、ワイが迷惑料として頂いたりもして、まあいいお客さんだったわね、城戸さんね」




