【イ軍編3404】不安定ヤングを立ち直らせたベンチワーク!
最弱イ軍で正捕手綿貫と第二捕手赤田が負傷離脱し、打力を買われて急遽マスクを被る事になった高卒3年目の室井。抜擢初戦で2安打1ホーマーをマークした打撃はともかくとして、逆に自軍投手陣が13安打4ホーマーを喰らうなどリードでは大苦戦。実際のところ、誰が捕手でも爆炎投手陣は球ガバ過ぎて炎上不可避なのであるが、若さゆえに開き直る事も出来ず。首脳陣からの鬼詰めをまともに受け取ってしまい、ノイローゼ気味になっていたものである。
そんな折、イ軍先発投手が「北の火薬庫」こと北朝鮮系ベネズエラ人投手チョ・マテヨの試合で、初回いきなり無死満塁の大ピンチ。ビビッてサインを出す指が動かなくなった室井に、イ軍遊撃手の草加部が、自軍ベンチの方向をジェスチャーで示したのであった。
それを見た室井はベンチに視線をやり、以降はサインのイップスを発症する事なく、何とか試合終了までプレーしたのである。
「いやあ草さん、ナイスアシスト。ホント助かりましたわ」
「もうそろそろ、そういう時期だからな。これからはピンチになっても、慌てず騒がずベンチ見たらええ。勝率2割以下で首脳陣が解任5秒前だから、気絶してるか再就職活動で忙しいかで、試合なんかまともに見とらん。何やっても怒られる事は無いから、思い切ってプレーしてええんやで」
※なお初回無死満塁から満塁ホーマー打たれたし、合計13失点だった模様




