【最弱ナインにしか出来ないヤングエース育成法】
3年前、最弱イ軍のエース相原がプロ入り2年目でスターダムに躍り出たシーズン。
敗戦処理からスタートするも、ダイナミックなフォームから繰り出される荒れ気味の153kmストレートと鋭く曲がるスライダーを武器に、短期間でロングリリーフ、クローザー、先発と、まさにチーム内の序列を秒速で駆け上がったものである。
花火師(意味深)揃いのイ軍爆炎投手陣の中で唯一防御率3点台とあって、オタの間でも人気沸騰。一気に大人気者となったのであった。
しかし、若さ、人気、実力を兼ね備えた相原に、投打問わず戦犯系ベテランズは鬼嫉妬。様々な難癖を付けたのであるが、その中でもある程度の迫真性を持って語られたのが、「相原は試合で手を抜いとる」であった。というのも、敗戦処理をやっていた時分、レギュラー野手相手にシート打撃でも投げさせられていたのだが、その時は球速160近く出てた、スライダーのキレもエグかった、というのである。
折しもイ軍では勝率2割の大暗黒で、八百長疑惑が花盛り(単に弱過ぎるだけなのだが)。球団としても調査せざるを得ず、役員と相原の緊急面談がセッティングされたのであるが、相原の説明に、球団サイドとしてはガチ涙&ピュアホワイト判定不可避となったのであった。曰く、
「シート打撃で球が速くなる、まあそういう事もあるかもしれませんね。野手の皆さんには守りで足引っ張られまくりで、こっちはオールタイムガンギレなんでね。潜在意識で頃したくて仕方なくて、力入ってる可能性はありますわね。あと気がついたら内角を突きまくってるんで、内角攻めに抵抗が無くなって、本番の試合でも活かされとりますわ。投球の幅を広げてくれた先輩方に感謝です(憤怒震え声)」