【イ軍編3364】ネバーギブアップ・ボール
最弱イ軍のエース相原が力投し、12球団最強のマ軍打線を抑えて9回裏まで0-0で来ていたものの、イ軍一塁城戸、二塁アームブリスター(以下ブリ)、三塁魅沢が三連続失策で無死満塁。からの、「もう誰も信用出来ん」とばかり、相原が投手フライ狙いの力勝負を対戦四番打者に挑んだ結果、バックスクリーン上段に届こうかという滞空時間の長い特大ホームラン。しかしベンチに引き上げるイ軍ナインとは逆方向、外野スタンドに駆ける姿があった。城戸、ブリ、魅沢である。近年見た事が無い必死の形相で、球を追いかけている――――?
今更遅い、最初からちゃんとやってポロリすな、と、球場のイ軍オタの心は一つになったのであるが、それでも、絶対ダメでも何とかしようとする姿は、何割かのオタの心を強く打ったのであった――――が、やはりそこはイ軍の最弱野球、そういう美談にしてはい神崎である。
城戸、ブリ、魅沢の3名は打球を追ってフェンスよじ登り――――はせず、今晩の劇敗でガンギレしているイ軍オタから逃亡すべく、ブルペンへ通じる外野フェンス中央にある通用口へ駆け込んで、球場からの秒速脱出を企てたのであった。