【イ軍編70】禁断のインセンティブ
「生意気なバ軍をシメてやるッ!!!!」
『球界の盟主』ことバ軍憎しで異常な執念を燃やすイ軍GM柳澤。何としてもバ軍に一泡では飽き足らず億泡ぐらい吹かせたくて辛抱たまらず、シーズン中にも関わらず、対バ軍戦での勝利に、一勝あたり1000万円のとんでもない高額インセンティブ(活躍度に応じて選手に配分)を設定したものである。
これには普段、巨大戦力のバ軍に対してはハナから諦めモードのイ軍ナインも大奮起。
「最初からちゃんと出すもん(※金)出してくれりゃ、俺らだって本気出すんだよ!」
とばかり、大ハッスル。更には監督の不二村も緊急事態宣言を発動し、ピッチャーを注ぎ込みまくるマシンガン継投態勢を敷いたのであった。
そして、前述のインセンティブ発動後のバ軍初戦。
それまでとは見違えるようなキレのある動きで、イ軍ナインはバ軍を圧倒。惜しくも僅差で敗れはしたものの、まるで別人のような溌剌とした戦いぶりにファンが驚愕、惜しみない大声援を送ったのであった。
しかし、それは線香花火の如き、一瞬の輝きだったのである。
結局、インセンティブ目当てにイ軍特有の「俺が俺が」スタイルが助長され、力で大きな開きがあるバ軍に馬鹿正直に力で向かう形になってしまい、頑張ってはいるものの勝てるワケがないという最悪の泥沼へ一直線。
更にはバ軍戦で力が入り過ぎて消耗し切ってしまい、他4球団相手に対しても全く勝てなくなり、これまで以上の完膚無きまでの敗北集団と化してしまったのであった…。




