【イ軍編3357】盟主の歴史を学び始めた最弱ナイン
「球界の盟主」バ軍で、第三期黄金時代の正二塁手として鳴らした土岐が、不動産投資大失敗の借金返済の為、最弱イ軍の監督要請を受諾。
「バ軍謹製ウイニング・ベースボールを注入して5位争い殴り込み! インセンティブゲットやねんッ!!!!」
と、大いに張り切っていたものである。
その熱意が、投げず・振らず・走らずの練習やる気無うイ軍戦犯系ベテランズのハートを動かしたのか。相変わらず実技系の練習はおサボりしていたものの、何故かバ軍の歴史を勉強し始めたとかいう怪情報が、球界を駆け巡ったのであった。
「フッ、ワイのやる気スイッチ16連射スキルにかかれば、彼奴等クラスのおサボり魔ですらこの通りよ。しかしアレやな、ワイの事と一緒にバ軍の事が大好きになって、移籍の相談とか来まくりそうやな…。『バ軍の編成担当はワイと同期なんやが、今シーズン頑張ったらワンチャン“ある”言うとったで』とかテキトー…いや、やさしい嘘でモチベアップさせたろ!」
てな感じで邪悪な笑みを浮かべる土岐であったが、一方その頃、イ軍戦犯系ベテランズのロッカールームトーク――――
「いや~、人生で初めて勉強すんのが面白いと思ったわ。頑張れば頑張っただけすぐ成果が出るからの~」
「ミーティングでこっちから『ノーノーやりながら3ホーマー打った投手』『外野から三塁コンバートした選手は』とかバ軍小ネタ振ったら、絶対必殺フレーズ『バ軍では~』が出てくるからなあ。監督に言わせた回数を競うバトルが熱過ぎて震えるで(震え声)」
「こっちが何も言わなくても、30分で100回とか繰り出すレベルやからね。初回ミーティングで先様の現役時代の話に花が咲き過ぎて、『バ軍では~』回数計測不能、賭けが成立せんくなったのはたまげたわ」