【イ軍編3345】最弱キャンプでしか産まれ得なかった新球!
球団役員ルートからの紹介で断り切れず、半ば以上数合わせで加入した新外人投手ファッコール。最速143kmの汚い回転をする直球こそあるものの、球質が軽く何か打ち頃で、爆炎投手陣への爆速フィット(適当)が大いに危惧――――いや、期待されたものである。性格的には真面目で絶対定時で帰るマンながらも、時間内はちゃんと練習するという事で、来期以降の球団スタッフ候補として、リストアップされていたのであった。
だがしかし、春季キャンプで新任投手コーチからNAGEKOMIの洗礼を受け、必死こいて取り組んだ結果、新しい変化球をマスター。この新球とのコンビネーションで直球も活きる形となり、相原、神崎に次ぐ先発ローテ三番手に定着。4勝13敗、防御率5.39と、堂々たる成績(※イ軍基準)をマークしたのである。
この快挙に、ファッコール当人はイ軍ならではの特殊事情を口にし、感謝を捧げたのであった。曰く、
「やっぱ春季キャンプが全てでしたわね。戦犯系ベテランズの先輩方だけじゃなくて、ブルペンキャッチャーとかもエア自主トレで全員ガバガバボディでよ、こっちの速球を全球ポロリなんですわ。にも関わらず投手コーチから一日334球NAGEKOMIせ~いッ! とか指示されて、これじゃ練習にならんと頭抱えましての~、しゃーないから球速落として、遅い球投げるしかないやろと。そんで仕方なく延々ヒョロ球投げとったらE感じになってきて、これチェンジアップでイケるんじゃないかと。ワイの火の玉ストレート(※最速143km)と球速40kmぐらい差が出て打者が面食らってくれましなあ、何とか一年完走出来ましたわ。ボロペンキャッチャー様々、イ軍イズムしか勝たん(震え声)」