【イ軍編3343】帰って来た伝説の野球記者
かつて全国紙で数々の球界大スクープを飛ばし、伝説の野球記者として名を馳せた柳橋。政治部に栄転して13年後、再び運動部に舞い戻ったのはいいが、最弱イ軍番になるとかいう怪情報が、球界を駆け巡ったものである。
「当節は大手新聞も部数の落ち込みヤバいらしいからの~。エース記者投入でワイらの人気に大便乗する気満々やろ(確信)」
「ギーバ(柳橋)が書きよるディス記事対応で忙しくなる可能性が巨レ存どころじゃない、球場で会うより法廷で会う時間の方が長そう(震え声)」
てな感じで身構えるイ軍戦犯系ベテランズであったが、一方その頃、会社から春季キャンプ取材に発つ柳橋を見送った新聞上層部の感想戦――――
「ワイらからのプレゼント異動、ワーカーホリックだけにどうかと思ったが、ギーバ的には喜んどったみたいやで」
「管理職就任拒否で、40年近く最前線でガリガリやっとったからの~。もう体が限界や言うとったからね、彼奴もシニア雇用になったんやから、ええ転換期やで」
「イ軍番なら机に喋らせても(テキトーに記事書いても)何の問題も無いからね。そもそもイ軍ナインは春季キャンプでも全然練習せんから取材のしようが無いし、実質慰安旅行みたいなモンで、ゆっくりしてきますわ言うとったわ」




