【イ軍編68】大天使討伐
真夏のバ軍―イ軍戦。
イ軍本拠地東京新宿スタジアムで9回表バ軍の攻撃中。天使のコスプレをした小汚い中年男性が、突如バックネットによじ登り始めたものである。
そして、ざわめく観客をドヤ顔で見下ろしながら、「天誅金満バ軍 大正義イ軍は永遠なり」という横断幕を掲げたのであった。
選手補強他、全てを強大な金の力で何とかしてしまう「球界の盟主」バ軍のアンチがたまにやらかす、お騒がせネタである。
しかし、これに激しく噛み付いたのがイ軍ナインであった。
「おいコラ! みっともねえから早く降りてきやがれ!」
等と叫びながら、現場に急行して、未だ犯人が張り付いているバックネットを揺らしまくり&落ちた時に逃さぬよう、きっちりポジショニングを取ったものである。普段このような事態では2828笑いを浮かべながら何もしないイ軍ナインとは思えぬほど、犯人捕縛にアグレッシブな動きを見せたのであった。
「イ軍ナインがバ軍へのアンチ行動を許さないなんて…」
「奴らにも最低限の良心があったようだな」
極一部の良識あるイ軍ファンの感動は、しかし、当のイ軍ナインの絶叫に、簡単に破壊されてしまったのである。
「今日は(投手が)打たれまくって守ってる時間が長くて疲れてんだよ! 一秒でも早く帰りたいってんだコノヤロ!」




