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【イ軍編67】活人ドラフト
プロ野球ドラフト会議当日。
イ軍の2軍寮で、イ軍の中でも特に底辺の連中が集結し、固唾を飲んで中継を見守っていたものである。
今年のイ軍のドラフト戦略であるが、競合を恐れず勝負に行く事を早くから宣言。その事前の煽り通り、身の程知らずにも有望選手ばかりを敢然と指名しまくったのであった。
そして、イ軍が有力選手の指名権を得る度、大歓声が上がるイ軍2軍寮。
「これでチームが強くなるで!!!!」
などという殊勝な心境ではもちろんなく、
「よしゃ! これで俺らの現役生活も延命の可能性出てきたで!」
「まともな奴ほどウチに指名されたら入団拒否する確率が高いからな」
「うむ、その分首切りの必要がなくなり、俺らを残すしかなくなるというワケだ」
このように、とんでもなく後ろ向きな必死さしかないのであった。




