【城戸編635】丁寧な打法4.0
「ワイらはシャープに振り抜くスイング主体で、何でもかんでもホームランいう雑な野球をしとらんから…。しかしやで、たまのホームランが出たらよ、スタンドのオタはもっと盛り上げてやって欲しいんや。余韻を味わうとか分かったような事は言わんといて、全力で大騒ぎしたってや。そう、選手がホーム帰ってからが本番、ホームインした瞬間にトランペット鳴らしまくりとか、応援に革命を起こして欲しいやで。ワイらが球界最高のプレー(なお順位)で引っ張るから、オタも令和の応援4.0(適当)でアンサーどうぞ」
てな感じで、球団公式HPを通じてオタに呼びかけた「40億の凡打製造機」こと最弱イ軍の城戸。監督の解任&就任を繰り返し過ぎたイ軍で、深刻な人材不足により兼任監督に就任して初日の事であった。
「やっぱ立場が人を作るんやの~。あのフォア・ザ・ミーの権化が、変われば変わるモンやで。それともワンチャン、超飛ぶバット(意味深)でも大量ゲットして、チームが長打量産モードに変わる可能性が微レ存…?」
「『ワイがポマエらの為にオタにお願いしたった』ネタで、100年は恩着せがましい事言って来るで(確信震え声)」
という心ある野球オタの推測は、代理監督城戸の異次元采配で、あっさりと外されてしまったのであった。
数日後の試合、チーム10試合ぶりのホームランをアームブリスターが放ち、城戸の要請に乗るのは癪だが、大暗黒のストレスを発散するいい機会ではあるのでイ軍サイドのスタンドに陣取るオタが、大音量セレブレーションを発動。この日、徹ゲー(徹夜でゲーム)疲れでスタメンから外れていた兼任監督の城戸が満を持してこっそりと「代打、ワイ」をコールし、イ軍オタの騒音レベルの応援で集中力を削がれている対戦球団投手、内野陣の隙を突いて汚いバント安打をマーク。一見他人の為のように見えて実は5億%自分の為とかいう、手間暇かけた丁寧な仕込みから始める令和のフォア・ザ・ミー打法4.0が完成したのであった。