エアスイング暗殺未遂事件
東京新宿スタジアムでのイ軍対ジ軍戦。
イ軍は4回終了時点で既に0-7と大差をつけられる展開で、早くも敗戦濃厚。先日投手を大量に注ぎ込んだ事もあり、この日はリリーフを投入も出来ず、監督不二村も負けるに任せるといった態で、球場には弛緩した空気が流れていた。
そんな中、バックスクリーンの大型ビジョンを使用して、カメラがランダムに選んだ観客にバットを振るまねをさせて架空の飛距離を発表するアトラクションがスタート。
したのはいいのだが、何とイ軍ベンチ内の城戸を執拗にフォーカスする前代未聞の珍事が発生。
あまりの不振にスタメン落ちとなった主砲にこの仕打ちとは、イ軍の煽り体質恐るべし――。
もはや試合に興味の持てない地元ファン達が、お義理の城戸コールを送ると、満更でも無い表情の城戸がベンチから出て来たものである。――手にバットを持って。
そして、大型ビジョンを見ながらスイング。
飛距離は――。ベンチ内。
そう、バットがすっぽ抜けて、城戸にスタメン落ちという屈辱を課した不二村が座るベンチのすぐ横を直撃。
大型ビジョンには城戸、不二村の両者が映し出され、その後のベンチ内乱闘まできっちりと中継したのであった。




