【イ軍編63】真夏のSoundsBad
真夏のデーゲーム、イ軍本拠地新宿スタジアム。
ただでさえエア自主トレ&手抜きキャンプが原因によるスタミナ不足で動きの悪いイ軍ナインは、折からの酷暑でいよいよマスターズリーグ加盟待ったなしレベルで動作が緩慢になっていたものである。
そんな最中、新スタの気温計測が遂に40度を記録。
その瞬間、イ軍ベンチでは大歓声が上がり、次々にヤカンが運ばれてきたのであった。
「イ軍の連中、暑さでいよいよ気が狂ったか」
対戦マ軍ベンチは気の毒そうな視線をイ軍ベンチに向けたのであったが、ヤカン直飲みを繰り返して以降、イ軍ナインのテンションは爆上がりなのであった。
「かーーーーーーーっ、やっぱ夏はこれだなかーーーーーーーーっ」
「こんなんだったらいつでも40度越えて欲しいわなあ」
「どうせ暑くてすぐ抜けるんだからガンガン行っとこうや」
そう、ヤカンの中身は、何とガン冷えしたビールなのであった。イ軍ナインのあまりの動きの悪さにファンからの抗議が殺到した事で球団が出した苦肉の策は、「とりあえず40度以上になったら、酒飲ませてシャッキリさせとけ。すぐ抜けるだろ暑いから」という、半ば以上に自棄糞じみたトンデモ施策だったのである。
「ヨシャ、ガソリン入って、これからが本番やで!」
だがしかし、頭にキレが戻ったところで、鍛練不足の体がどうにかなる筈も無かった。イ軍ナインの脳内イメージと実際のマスターズリーグ級プレーのギャップが広がってしまった事で、通常の3倍で空振り&失策が頻発。結果、いつも以上の大敗を喫し、ここにイ軍のお家芸であるブーメランボールが完成したのであった。




