【イ軍編3235】外野の客数カウント占い(錯乱)
最弱イ軍の名物選手、霊能者兼野球選手の宜保愛甲。ひょんな事からプロ生活2年目で霊力をゲットし、ここぞの霊ヒット&霊キャッチ(球を自分の都合のいい方向にちょっと動かす)で、ほぼゼロに近い最小限の練習量で、22年間現役として球界に居座り続けたものである。
とはいうものの、入団当時の首脳陣は宜保愛甲の霊力を理解出来ず、2年目オフには解雇5秒前の危機。しかし、3年目にチーム成績不振で新監督が就任してからは、状況が一変。閑古鳥が鳴く球場で、外野スタンドの人数を数えるミッションを宜保愛甲に課し、その結果で起用を判断。一体何がどうなっているのか宜保愛甲本人には一切分からぬながら、二試合に一試合ペースで代打に起用されて、打率3割の好成績をマーク。その後の一軍定着への足掛かりとなったのである。
後年、宜保愛甲は、当時の監督への感謝をしみじみと述べたのであった。
「当時おった球団が、まあビックリするぐらい不人気で、客も全然入っとらんでの~。おって50人とかやから、遊びで外野の客を数える事もあったんやが、毎日それをやらされて、どうもその結果で監督が代打に選んでるようなんやね。まあよ、ワイもその時は、自分が『見える(意味深)』とは分かっとらんでなあ。監督は事前に自分でカウントしといて、その数とワイが申告した数を比べて、ワイの方が多かったら『愛ちゃん、今日は見えとる(意味深)から霊力が充実しとって打てる!』いうて判定しとったらしいわね。全く、持つべきものは、オカルト好きな上司やで(震え声)」




