【イ軍編60】ザ・記録殺し
イ軍本拠地新宿スタジアムで行われたマ軍―イ軍三連戦。
マ軍の安打製造機香椎が2000本安打まであと1本と迫っている事で、記録達成を目撃すべく、球場はマ軍ファンで溢れかえっていたものである。
イ軍側も、この記録ネタによる集客チャンスを逃してなるものかと、ビジター球場にも関わらず、全面的に香椎を持ち上げまくりの煽りまくり。その甲斐あって、球場が異様な熱気に包まれていたのであった。
だがしかし、肝心の香椎がプレッシャーを感じたか、三連戦を無安打フィニッシュ。結局、マ軍ファン的にはフラストレーションが溜まりまくりだったものの、イ軍的には三連戦満員御礼で集客に成功したのであった。
最終戦後、GM柳澤とパネマジ広報白井が祝杯を上げたものである。
「記録阻止しながら集客大成功、よくやったわ白井。香椎が記念品を大事にする奴なのがよかったわね」
「はい、新スタのサービスで、2000本安打を達成した打球は速攻スタンドに投げ込まれるっつー非公式な噂を流したのが効きました」
「そうね、あと香椎の打席の時に、ウチの野手連中が一斉にスタンドにボールを投げ込む動作をしたのにも、野郎が完全にビビってて笑えたわ」
「ええ、あれがダメ押しで、記録ボール惜しさに香椎はまともにバットを振れなくなってましたからね」




