【イ軍編3214】ドラフト作戦コード「誠意大将軍」
「おーん、ピロ野球? 入るなら地元球団やろなあ、マッマと離れたくないし…」
とは、某新宿の公立高校3年生外野手、立石のコメント。高校は大会一回戦敗退の常連だが、立石は身長194cmと恵まれた体格で、上手く鍛えればシーズン打率2割5分、15本塁打は期待出来そうな素質があり、最弱イ軍ではドラフト1位候補としてリストアップされていたものである。
そこに前述の地元志向が飛び出した為、イ軍サイドは指名についていよいよ前のめり。
「立石は何としても獲るッ! 獲るッ! 獲るッ!!!! 総員月イチで立石詣でせ~いッ!!!!!!!!」
という新球団社長の号令で、極秘でイ軍幹部、監督ら首脳陣が立石家に挨拶に出向きまくるとかいう、作戦名「誠意大将軍」が発動したのであった。
この下にも置かぬ待遇に、立石本人はおったまげ、マッマは「ぽっくんの素質なら当然」とクールフェイスであったが、手土産のと〇やの羊羹と栄養費(意味深)が効いたのか、さすがに心証は良く、「指名されたら99%前向きに考えとります、ダメ押しのシャドー契約金ダブルアップ(意味深)であと1%が埋まります」というコメントを引き出すまでに至ったのであった。
そして迎えたドラフト当日、イ軍は立石の単独1位指名に成功、「先様の家で指名挨拶から契約まで持ち込もう、気が変わって逃げられんように、球団幹部・首脳陣ズ総出で自宅を取り囲むんや(震え声)」と、新宿の立石宅へ急行したイ軍関係者軍団であったが、
「サーセン、指名はお断りします、ぽっくんはお宅から頂いた栄養費(意味深)貯金で大学にやります」
てな感じの、マッマまさかのアンサー。
そ、その心は…?
「イ軍さんは毎月と〇やの羊羹と栄養費(意味深)を持って来られて、ホントにありがたいこってす。しかしですよ、何か毎回監督さん以下首脳陣の方が替わられて違う人が来るし、どんだけ雇用が不安定なんやと。チーム成績が大暗黒過ぎて監督替えればワンチャン言う気持ちも分からんでもないですが、それこそ月イチペースでそんな事やるのはいかがなモンかと、そんな危ないとこにぽっくんはやれませんので」
こうしてイ軍の誠意は、却って自らのヤバさアピールになってしまい無事死亡。その後、立石獲得失敗の罰金を関係者から徴収した「マネー火の玉ストレート160k(16万/1人)」を原資に運用を開始し、原点に返ってマネー1本柱の力勝負路線に舵を切るのであった(適当)。




