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【イ軍編59】歓迎! イ軍御一行様
セパ交流戦開始後、パリーグ各球団の本拠地では、セリーグのあるチームが遠征に来る度に満員御礼連発。その球団とは、「球界の盟主」ことバ軍――――ではなく、「球界の掃き溜め」と悪名高い、イ軍なのであった。
事実、地元ファンで埋め尽くされたスタンドには「歓迎! イ軍御一行様」の横断幕まで掲げられており、まさに歓待といった風なのであった。
イ軍ベンチでは、
「フッ、パのファンははさすが目が肥えてやがる。交流戦始まってからそんなに経っちゃいねえが、俺らが完全に定着したようだな」
「奴ら玄人指向だからな。セのミーハーファンとはワケが違うぜ」
「さーて、ファンがお望みのイ軍野球、見せてやるとするか!」
と、例によってヤラセを疑わざるを得ないレベルの能天気過ぎる電波トークが繰り広げられていたのであるが、一方その頃、パリーグ当該球団広報部での会話で、きっちりオチがついているのであった。
「まさにイ軍様々だな。他のチームじゃ絶対こんなに客が入らないぞ」
「ええ、必ず勝てるから安心して観戦出来るイ軍戦が、パファンにも完全に定着したようです」




