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【イ軍編58】イ軍がパリーグの王者にセの野球と社会の厳しさを叩き込む
セパ交流戦、レ軍―イ軍戦。
昨年のパリーグ覇者でありながらも更に30億補強を敢行し、球界最強の布陣との呼び声高いレ軍。セのお荷物であるイ軍とは戦力差があり過ぎて戦う前から試合にならないような状況であったが、何故かレ軍の動きが硬く、普段からは信じられないような凡ミスが多発しているのであった。
イ軍ベンチでは、
「フッ、強者は強者を知るって事だな。レ軍の奴ら、俺らに完全にビビってる」
「よしゃ、金満レ軍に、セの野球と社会の厳しさを叩き込んでやるか」
と、例によって勘違いコメントをキメまくる、良識ある野球ファンがその場にいたら失笑死不可避の亜空間を展開していたものである。
一方その頃、レ軍ベンチでは、
「いやあ、やっぱイ軍とはやり辛いですねえ」
「うむ、勝って当たり前どころか、なまじ補強しまくったもんだから、20点差とかノーヒットノーランとか凄い勝ち方しないとファンが黙っちゃいねえからなあ」
と、負け犬相手でも全力を尽くさねばならぬ、絶対王者ならではの悩みに頭を抱えていたのであった。




