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解読不能サインプレー
セ5球団のスコアラーは困惑していた。
イ軍の新一・二番コンビ、リバースとアームブリスターのサインプレーが全く解読出来ないのである。
何せ、外人に一・二番を組ませるのも前代未聞なら、サインまで任せてしまうなど、もはや想像の斜め上もいいところである。解読に多少時間が掛かるとは想定されていたが、ここまで難解とは…。
彼奴らでやり取りされるのは同じようなサインが多いのだが、付随するプレーに全く法則性が見当たらない。表立ったサインは偽装で、別の動きがあるのではと、各球団が名うてのサイン破り専門家を結集。総力を挙げて解読に当たっているのだが、今もって全く解析が進まないのであった。
それもその筈である。
(おい、今夜は六本木行こうぜ)
(いや、渋谷がいい)
等々、野球とは何の関係も無い、当日の飲み会の打ち合わせのサインだったからである…。




