【イ軍編3150】絶対に金額を言ってはならない契約更改がここにある
最弱イ軍の正捕手「球界一性格の悪い捕手」こと綿貫。その綿貫が大卒4年目で23本塁打90打点をマークしたシーズンオフの契約更改で、今も語り草になっている逸話がある。綿貫が当時所属していた球団はいわゆる渋チンで、あの手この手を使って選手年俸を抑えにかかっていたのであるが、綿貫も「ワイが囁き戦法で敵の四番をチーム内不倫に走らせて先様の内紛を引き起こした事で、見えない形でウチに2.9勝(綿貫調べ)をもたらしました」等とほとんどワケの分からぬネタを持ち出して対抗し、泥沼の様相を呈していたものである。
この膠着状態に業を煮やした球団社長は、
「だ~か~ら~、今年はもう上限1億しか出せん! 言うてもよ~ワイの給料なんて球遊びで調子こいとるユーが億単位のところ、たかだか2000万やで? 今年よう頑張ったのは数字見りゃ分かるが、ワイの裁量にも限度があっからの~。なっ? 今年はこれでサインしてくれや」
自虐含みで泣き落としに掛かったのであるが、これが間違いの元であった。
「そうですか、社長の年収は2000万なんでっか…」
と、神妙な表情で呟いた綿貫は、観念して書類にサインしたのであるが、その内容というのが、
「希望額は1億5000万ですが、無い袖は振れないやろからなあ。ほな社長の年俸が2000万、ワイも鬼やないですから社長の裁量で半分の1000万は何とかして頂けるやろいう事で、1億1000万で手を打ちますわ」
そう言って、契約書の年俸欄を1億→1億1000万に訂正して差し出してきたのであった。




