【イ軍編3130】絶対に真似したい特殊投法? がそこにある
「マウンドの詐欺師」こと最弱イ軍の先発二番手神崎が、爆炎三本柱の一角「北の火薬庫」チョ・マテヨに弟子入り――――という怪情報が、球界を駆け巡ったものである。投げれば打たれるマテヨから、一体何を学ぶというのか。密輸、密航、将軍様への効果的なアピール方法…等々、様々な憶測が流れる中、球場の試合前練習で、ボールの握り方について神崎とマテヨが激論を交わす姿が何度も目撃され、どうもガチで野球の何かについて勉強しようとしている様子なのであった。
だがしかし、その後、「マテヨ直伝」みたいなネタを神崎が披露する事も無く、当件を憶えているものは誰もいなくなった数十年後、高級パン屋経営で失敗して抱えた借金を返すべく神崎が自費出版した自伝で、真相が明かされるのであった。曰く、
「当時はワイも審判団に目を付けられまくって幻惑プレー(意味深)が出来ん事なって、引退5秒前まで追い込まれとったからなあ。新ネタ仕入れようと必死で、何とかマテヨのボールをモノにしたろうと。どんな握りでも打ち頃の速球にしかならんというアレよ。ワザと握りを見せて投げたら打者を翻弄出来ると思ったんやが…。本人的には13種類に変化しとると言い張っとったが、彼奴の言う通りに投げても、やっぱ握りを変えると球もちょっと変化しちゃうんだわね。アレはフツーの人間には習得するの絶対無理、まあ異常なまでの不器用というか、逆に超器用とも言えるわね(錯乱)」




