【イ軍編3053】選手には格というものがある。だがしかし、
シーズン最終日のマ軍-イ軍戦、ほぼ全てのインセンティブ系の達成・未達成が確定し、完全消化試合のこの試合、8回に、マ軍は往年のエース向井をリリーフ起用。通算130勝も故障により近年は5年連続未勝利で、今季での引退が決まっており。いわゆる一つのサヨナラ登板であった。
本日のイ軍打線は来季を見据えたほぼ二軍メンバーで、「世界の併殺魔」こと四番の城戸や、「球界三大性悪」の正捕手綿貫ら主力(意味深)が代打で残っていたが、イ軍監督赤井は、ここで大卒2年目の西岡を代打コール。
「おいおい、西岡て誰や? 見た事無い顔やが、もしかして今日が一軍初出場な可能性が巨レ存…?」
「向井には長年チームが苦しめられとったからの~。実績ゼロの無名マンで球界から送り出す畜生采配、最悪の餞別やで(震え声)」
と、イ軍ベンチ内でもおったまげる空気が流れたのであるが、マ軍ベンチでは、イ軍監督の人間力に感嘆の声が上がったのであった。曰く、
「いやあ、赤井はんはやっぱ人格者やで。これが城戸やら綿貫やら出したら、彼奴等、空気を読まんで全力でヒット狙って来るやろからなあ」
「一軍初出場でド緊張ヤングなら確実に凡退が計算出来るからな。人に優しい名采配よ(確信震え声)」




