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【風神雷神編②】恐るべき被長打力
マ軍GM執務室。
ある重大な疑惑を追及するべく訪れたマ軍のチームリーダー大安が、緊迫した面持ちで、マ軍GM村上と向き合っていた。
「じゃあ今度のイ軍戦、審判を買収して向こうの投手に飛ばないボールが廻らないように手配したって噂、ありゃ本当なんですね」
大安が、震え声で問い質したものである。
「うむ、その通りだ」
と、淡々と答える村上。
この野郎! 一体いくらでイ軍に寝返ったんだ畜生!!!!
危うく叫びそうになった大安。しかし、続く村上の話に、人生最大の脱力感に襲われたのであった。
「イ軍の風神雷神とかいう、あいつらいるじゃねえか。ほら、ホームラン打たれた数の世界記録持ってるっていう。ホーム球場で奴らとやる時、場外ホームランが多過ぎて危ないってんで、近隣住民から苦情が殺到してんだよ。あと、ホームランが出るのはいいけど、スタンドに落ちてこないから取る楽しみが無いつって、外野席の客からも文句の投書が多くてなあ。飛ばないボールにしたところで結局ホームランは出るんだろうから、まあ今回はちょっと我慢してくれや」




