【イ軍編3019】痛恨の左打席
パリーグのド軍でチームメートのヨッメと不倫して球団を追われ、流れ流れて最弱イ軍に加入した大卒4年目若手外野手椎野。ベテランの厚い壁に阻まれて直近3年の出場試合数が50試合程度ではあったものの、打率3割前後は打っており、イ軍でなら主力になれるのではないかと、オタからは微妙に期待されていたものである。
そして春季キャンプ初日、新監督の方針でいきなり開催された紅白戦で、椎野は衝撃のムーヴを魅せる。何と本来右打ちにも関わらず、左打席に立ったのであった。
「そういえば彼奴は一時期スイッチにチャレンジしとったみたいやが…心機一転、反省の証にメチャ頑張りそうな可能性が巨レ存…?」
「見える…左右の打席からヒットを量産する椎野が…そしてそれを併殺で台無しにする城戸(イ軍の四番)が…(震え声)」
てな感じで何度騙されても夢を見てしまうイ軍オタであったが、椎野的には、
「話には聞いとったが、イ軍爆炎投手陣、ガチのマジでヒョロ球過ぎて草生えんで! あんなのを打ったら打撃がおかしくなるから、今日は左でテキトーに流しとこ!」
という意図の左打ちだったのであるが、爆炎投手陣の球が打ち頃過ぎて、不慣れで雑なスイングにも関わらず二打席連続ホムーラン。
「もしかしたらワンチャンどころじゃなく左でイケるんじゃあ…」
と、いい気になって勘違いしてしまい、中途半端にスイッチに取り組んで体のバランスを崩してしまい、本来の右打席までおかしくしてしまい無事死亡。「もう野球おもんない」と、仮想通貨に手を出し、野球と副業、ジョブ的スイッチヒッター(適当)に進化。投機大失敗から借金返済の原資を稼ぐために守備走塁で真面目に野球をやらざるを得ず(打撃は完全崩壊で手遅れだった)、10年目ぐらいまでは中途半端に戦力になったのであった。




