【城戸編603】これが日本最強打者の大局観だ
開幕から一か月、ほぼ全試合スタメン四番に起用されながらも(※外す指示をした者に200万罰金とかいう異常契約なので外せない)、打率1割、0本塁打という大暗黒っぷりを披露する最弱イ軍の主砲、城戸。
本日の試合、その城戸の第一打席で、ボテボテの三ゴロを放ち、あまりの打球の弱さに三塁手が色気を出してベアハンド(素手)キャッチを試みようとしたところ、若干のお手玉。からの、慌てて送球で間一髪アウトになったものである。
アウト・セーフ、どちらとも取れる判定であったが、イ軍ベンチはフォア・ザ・ミーに徹する城戸ヘイトでビデオ判定要求せず。城戸本人も、騒ぎ立てるかと思いきや、オーロラビジョンのスローリプレイを凝視した後、大人しくベンチに戻ってきたのであった。
「はえ~ッ、城戸さんは球史に残る安打乞食ちゅう評判やから、『ビデオ判定してくれなきゃぼくちんもう立てない~ッ!』言うて絶対大泣きして暴れ廻ると思ってましたが…。意外にジェントルマンなんすね~」
と、先日一軍に上がってきたヤングが漏らした呑気な感想に、ベテランの草加部が真相を教えてあげるのであった。
「いや、今ゴネんかったのは、後からいくらでも異議申し立てでヒットにしたるいう自信があったからや。城戸さんも大概性格最悪やから、シーズン終盤で首位打者争いになったタイミングで、判定訂正を申し入れるんや。そんである日、3打数4安打みたいな異常事態になって打率がヘンな上がり方して、ライバルに嫌~なプレッシャーを掛けると。無駄過ぎる意味で大局観を持っとるんやね(震え声)」




