新作ハンドクリーム(意味深)投入の儀
「っしゃああああああ間に合ったで~~~~ッ!!!!」
と、試合直前の最弱イ軍ロッカーで絶叫したのは、「マウンドの詐欺師」こと先発二番手の神崎。イ軍の闇商人兼一番打者のリバースに注文していた輸入物の新作ハンドクリーム(意味深)が到着しての大歓喜ムーヴなのであった。
「今シーズンの新作はワイのラッキーカラーであるベビーピンクがアクセントカラーとして5%配合されとるんや、今日は絶対負けられんで~ッ!!!!」
そう言ってテンションMAXとなった神崎は、ハンドクリームをぬりぬり――――するようでせずに、そのままマウンドへ。その後も新作ハンドクリーム(意味深)を投入する事無く、延長10回152球を投げて4失点で完投、自身もタイムリー2塁打2本3打点でサヨナラ勝ちを演出し、ヒーローインタビューに臨む事になったのであった。と思ったら、慌ててロッカーに戻ってきたものである。
「神崎さんマジパネェっすね~。クリーム(意味深)塗り忘れたのに完投勝利はスゲーっすわ」
と、ヤング投手が呆れ半分以上で突っ込んだところ、返ってきたのは斜め上過ぎるアンサーなのであった。曰く、
「バーロー! シーズンは長いのに、ワイの尻尾を捕まえたくて捕まえたくて震えとるNPBが異常警戒しとる開幕直後、しかもビジター球場で新兵器投入すんのは悪手も悪手やで! シーズン三巡目あたり、全体的にダレて警戒がガバついたタイミングで使うのが一番ええんや。今日は試合が終わった後にパフォーマンスとして見せつける、これが大事なんや。明らかにテカっとる手をアッピールしてよ、ワイが額を拭ったら、何かヌルヌルしとると藁。これで試合中は全く使っとらんのに、実は使っとったんかみたいな感じで、打者も球審も疑心暗鬼になって勝手に考えこんでくれるからな、これを極力序盤、しかも大人数が観とるヒーローインタビューでカマせるかどうかで、シーズンの楽さ加減が全然違ってくるんやね(震え声)」




