アイコウ39歳
最弱イ軍のレギュラー左翼手、野球選手兼霊能者の宜保愛甲。高卒2年目、ある事件をきっかけに霊能者となった宜保愛甲は、霊力を悪用してのここぞの自分に都合のいいボールムーヴを駆使し、勝負所での劇打やスーパーキャッチを演出。最小の労力で(野球的に)最大の成果を挙げ、年俸3000~4000万をウロウロしながら、現役生活21年目を迎えていたものである。
だが、イ軍戦犯系ベテランズの一員あるある、昼夜問わない、試合日でもお構いなしのゲーム廃人不摂生ライフが災いし、寄る年波も相まって、霊力調節したド真ん中ストライクでも打ち損じたり、ギリ捕れる位置に動かしたつもりのボールに手が全然届かなかったり等々、頼みの霊力でもカバーし切れない程、フィジカルが急落していたのであった。
この衰えを何とかカバーしようと、体力面に関しては練習が嫌過ぎて秒速で諦めた宜保愛甲は、演出面でのパワーアップを決意。
「こうアレよアレ、頭部死球やら大乱闘になった原因のボールを集めてビッグ数珠にしてよ、首に掛けて対戦投手を威嚇するんや。ワイのバックにはヤベー野球霊が憑いとるで! 呪われたくなかったら、39歳ワイでも打てる打ち頃のド真ん中ストレート投げてオナシャス!!!!(震え声)」
こうして20年ぶりぐらいに野球に一生懸命になった(なお練習はしない模様)宜保愛甲は、イ軍本拠地でその辺に転がっていたちょっと古めのボールを知り合いの制作会社美術担当に頼んでそれっぽくペイントしてもらい、あとは宜保愛甲がネットで拾った野球史の事件系ネタと、それでは追い付かない分はエピソードを捏造。こうしてビッグ数珠が完成し、宜保愛甲with野球霊態勢が整ったものである。
果たして、打席では野球規則によって装備出来ないのでネクストバッターズサークルにビッグ数珠を置いてから行く宜保愛甲であったが、それでもビビった対戦投手がド真ん中に投げるまでは行かずとも、制球を乱して四球を連発。打率0割台ながらも出塁率は2割台後半をマークし、宜保愛甲はイ軍で最高の(2割台後半でもイ軍では最高レベル)出塁マシンとしての地位を確立したのであった。かに見えたが、今季のイ軍監督マシンガン解任&就任で続いた新監督たちが、たまたま心霊嫌いで、「ミー、オバケ怖い!」と、宜保愛甲を二軍に落としてしまい万事休す。宜保愛甲の現役生活ももはやこれまでと思われたが、新宿の街で有名怪談師とコラボして、二軍の試合後にそのまま野球怪談が聴けるホラーベースボールナイトを企画。数こそ少ないがコア層にはバカ受けし、ホラー系野球youtuberとしての第二の人生の足固めには成功したのであった(適当)。




