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お笑い野球イディオッツ!  作者: 山岡4郎
おいでよ最弱の闇
396/5133

【イ軍編48】内ゲバ投手陣

 シーズン最終戦。

 イ軍先発の北朝鮮系ベネズエラ人のチョ・マテヨは、5回まで3失点と何とか試合を作っていたが、6回に入ってスタミナ切れを起こし、1死1、2塁で打席には当たりまくっている3番打者という大ピンチを迎えていた。

 この状況にたまらず代理監督である投手コーチ安城(監督不二村は試合前に審判と揉めて既に退場済であった)がリリーフを告げにマウンドに上がったのであるが、あと1イニングでインセンティブが入るとあって、マテヨは頑強に拒否。チームの勝利より自分の金とばかり、散々っぱらゴネまくったものである。

 だが、マテヨのイニング数同様、安城にも投手コーチとしての勝利数のノルマ達成がかかっていただけに、両者譲らずの大論争が勃発。しかし、最後は安城が折れてマテヨと固く握手。一抹どころでは済まない不安を胸にマウンドを去ったのであった。

 果たして、マテヨの次の投球は、とんでもない事態を巻き起こした。

 どう考えても不自然な鋭過ぎる変化球でバッターを空振りさせはしたものの、優勝をかけて必死の対戦マ軍監督から、違法投球じゃねえか! と猛抗議。即座にマテヨの右腕が調べられ、敢え無く御用、一発退場となったのである。

「ちょ、待てよ!!!!!!!!!!!!!!!」

 と、渾身のキムタクポーズをカマしながら宇宙人グレイのように両脇を抱えられて退場させられるマテヨ。

「俺じゃねえ! 安城の野郎だっつーの!!!!」

 そう、安城が先程の握手に異物を仕込み、マテヨの違法投球を演出したのであった。

(マテヨすまん、お前の死は無駄にしない。俺がお前の分まで球界で生き残る)

 してやったりの表情で安城はリリーフを告げ、必勝の継投を繰り出したのであった―――のだが、マテヨ退場によるイ軍リリーフ陣の動揺&違法投球で怒りに火がついたマ軍打線の相乗効果で、結局この回マ軍が大量9得点の大爆発。

 マテヨと安城は仲良く共倒れになったのであった…。

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