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【イ軍編2955】盗まれるのではない、盗むのだ(錯乱)
今季3人目のイ軍監督に就任するも、直後に4連敗×3本を達成し、早くも解任5秒前の噂が流れる久藤。そんな久藤を、かつて所属していたパリーグのド軍の黄金時代を取材するべく某野球雑誌記者が訪ねてきたものである。
「ほな、監督室で話しまっか」
と、久藤の招きで訪れた記者であったが、監督室に入るなり、久藤が人差し指を口の前に立てて『喋らんといて、しー』ポーズをしながら、机の上のPC、天井、固定電話、応接のソファ等々、様々な物を指差しして見せるのであった。
(えっ…!? これ、もしかして盗聴されとるの…!? ――オーナー筋が監督を辞めさせようとしとるいう噂はガチやったんか…)
と、おったまげた記者であったが、久藤の明かしたオチには、二重のおったまげ(フタエノオッタマゲ)に陥らざるをえないのであった。久藤がヒソヒソ声で話して曰く、
(記者はん、この部屋な、ワイが録音装置仕掛けまくっとるんや。オーナーの奴の現場介入&パワハラがヤバくて、証拠取っときたくての~。ここで素材集めて、法廷へのシャイニングロードを見出すんやで)




