【イ軍編2883】「ワイの言う通りにやれば、ユーは10勝出来る(確信)」
かつて最速148kmの直球で将来を嘱望されながらも、度重なる怪我や分厚い選手層に阻まれ芽が出ず、流れ流れて最弱イ軍に拾われた高卒8年目左腕高部。イ軍の投手コーチ桑子との初回顔合わせ面談に臨んだものである。
「高部よお、ワイはずーっとユーの事を見とったんやで。ユーの素質は間違いない、名コーチたるワイのアドバイスというちょっとのスパイスを加えれば(適当)、軽く10勝は出来る。その為には日々の節制、健康管理が大事なんやで。――――ほれ、10番台はエース番号や。チームから許可は取っとるから、明日からそのユニ付けい!」
と、言って、桑子は背番号13番のユニフォームを桑子に投げて寄越したのであった。
前所属チームでは半ば見捨てられていただけに、高部はこの厚遇(?)に感激オブ感激。
「コーチ! ワイ、やったります! 背番号分の13勝、いや、最多勝目指したりますわ!!!!」
てな感じで気合十分、最多勝宣言までしたのであった。
「ファーwwwwユー、何か思いっきり勘違いしとるがな! 10勝言うのはシーズン成績やなくて、生涯成績やで。イ軍は防御率3点台のエース相原ですらシーズン4とか5勝が精一杯の大暗黒地帯なんやから、半分素人みたいなユーは相当頑張ってシーズン2勝がいいとこや。ただ、ロクな投手がおらんから、打たれまくってもチャンスはいくらでもある、ボディをヘルシーに保っとれば5~6年で10勝行けるでいう意味なんやね(震え声)」




