【イ軍編2825】ヘル・「キニスンナ」ムーヴ
最弱イ軍の二番手先発「マウンドの詐欺師」こと神崎。ここぞの場面での違法投球に加えて、いかに相手打者のタイミングを外すかという事が投球の生命線なだけに、間を長く取る事が多くテンポが最悪で、野手的には守り辛い事この上無い――――のであったが、基本ガバ守備のイ軍戦犯系ベテランズも、神崎の試合だけは比較的まともに守備に取り組むのであった。というのも、
「はえ~ッ、神崎さんは詐欺師とか何とか言われてるけど、仲間想いのナイスガイなんすね~」
とは、一軍に上がってから初めて神崎先発試合に当たった高卒ヤングの言inイ軍ベンチ。エラーした二塁のアームブリスターに、「しゃーないしゃーない、気にすんな。次頑張ってどうぞ」ジェスチャーを繰り出す神崎を見ての反応であった。
しかし、当のアームブリスターは苦虫を嚙み潰したような表情。ベンチでは、暇でやる事が無いベテランが解説マンと化して真相を教えてあげるのであった。
「いや、アレが曲者というか厄介なんや。あのキニスンナ仕草をよ、エラーで出たランナーがタイムリーでホームに還って来た時とか(神崎が)降板する時とか最終的に試合で負けた場面とか、ここぞの場面で繰り返しまくるんや。一見ぐう聖ムーヴやが、『この人のせいで試合に負けました!』という全力アピール、これ以上ない嫌がらせなんやで(震え声)。みんな守備なんて地味な事は真剣にやりたがらんのやが、アレが嫌で、神崎の時はみんな必死こいて守るんやね(憤怒)」




