【イ軍編2814】謝ったら負けだと思ってるヤングエースに喝!
打てぬ守れぬ走れぬの戦犯系ベテランズに散々足を引っ張られた関係で人間不信、からの、「マウンド上では謝ったら負けだと思ってる」的な戦闘的なスタイルに仕上がった最弱イ軍の若きエース、相原。
しかし、この日のサ軍戦、1-0の9回裏2アウトで完封目前のタイミングで、事件は起こった。対戦する四番打者森田に対して、厳しい内角攻めを展開。4球目のストレートが微妙に手元が狂って胸元を突く形になってしまい、森田は大袈裟に腰を引いて、倒れ込んだものである。
特に何の反応も示さず淡々と次の投球に移ろうとする相原であったが、この日、対戦左腕対策で右打ちの強打を買われて一塁に入っていた「マウンドの詐欺師」ことイ軍の先発二番手投手神崎がマウンドへ向かい、何事か叱責するようなジェスチャー。すると、相原がプロ生活5年目にして、初めて帽子を取ってサーセンムーヴを繰り出したのであった。
「うーむ、イ軍にしては有り得ない教育的光景やの~。これ見よがしのヤング指導アピールで、神崎もコーチとしての第二の人生、球界生き残りに必死やで(震え声)」
「サ軍側の心証を良くして、あわよくば雇用してもらう、下心満載の実質就活の可能性が巨レ存…?」
と、イ軍オタの疑惑が渦巻く中、相原の次の球は無難な外角へ――――――は行かず、先ほどの球と変わらず厳しく内角を突き高めギリギリストライク。見逃し三振でゲームセットとなったものの、神崎はベンチに戻りながら呆れたように相原を諭しているように見えたが、
「どうや、ワイのアシスト&アドバイス、ええ感じで効いたやろ。」
「神崎さん、やっぱあんたヤバいすわ。誰がどう見ても説教してる風なのに、言ってる事が『謝ったフリしてもう一球内角投げろ。相手は絶対油断して手が出ないから』だもんなあ。野球は騙し合いと言うけど、勉強になりましたわ(震え声)」
「ほな押し付けみたいでアレやが、成功したから指導料の成功報酬頼むやで。指定口座に振り込んどいてくれや」




