【イ軍編41】炎の投手陣再編
シーズンオフ、イ軍編成会議。
今季の各種データを元に、壊滅的防御率の投手陣再編について、様々な議論が展開された――と言えば聞こえはいいが、エース相原ら数人を除いてほぼ全ての投手が常に大炎上している為、誰を切ればいいか、その理由をこねくりまわしているだけの話なのであった。
その過程で、2012年からセリーグでも施行されている予告先発に話が及んだものである。
「うーむ、こうしてみると、予告先発は実にいい仕組みですなあ。誰が投げた時に客が入ってるか、統計が取りやすいですからなあ」
「ええ、最初は我々のような層が激薄チームは余計にフルボッコにされるだけかと思いましたが、なかなかどうして、ありがたい仕組みです」
「どうせ同じ大炎上なら、客が入る方がいいですからね」
「となると、他球団ファンが待ち望んでいるあのホームランコンビは、やはり外せませんなあ」
こうして、1シーズンの被本塁打世界記録保持者である“風神”岸谷と“雷神”渡瀬の防御率6点台先発コンビは集客能力(※ただし自チーム選手のホームランが見たい他球団ファン)を見込まれて残留が決まり、イ軍の先発ローテは来シーズンが始まる前から早くも大炎上しているのであった…。




