【城戸編565】指先一つで変えられる未来があるッ!
「アオオーーーーッ!!!!」
という絶叫と共に、右腕を抑えながらバッターボックスで倒れ込んでのたうち回る「40億の凡打製造機」こと最弱イ軍の四番打者、城戸。対戦投手の手元が狂い、148kmのストレートが命中してのムーヴであった。
嘘か真か、まあまあ痛そうな感じではあった為、球団指令で城戸は試合から引っ込み病院へ直行。搬送した球団車を、過激派原理主義系応援団「狂イ会」の面々が、観戦を中座して追ったものである。
そして治療が終わったタイミングで、狂イ会のメンバーが、主治医の診察室に押し寄せたのであった。
「思ったより全然軽症で、経過観察は必要らしいが今日からゲーム(野球ではなくド〇クエとかポ〇モンとか)再開してもええいう診断で助かったで! しかし狂イ会の連中、試合をほっぽり出してワイを追ってくる…やと…? オタにここまで心配してもらえるなんて、プロ野球選手冥利に尽きるいうもんやで。ドクターもこんだけ必死にお願いされたら、懸命に治療しよるやろ」
と、目からの水をそっと拭いながら病院を去った城戸であったが、やっぱりというか何というか、オタの方向性は城戸の想定とは全くの真逆なのであった。
「先生! ワイらの一生のお願いや思うてお願いします! 軽傷やなんて、城戸の野郎を何とかしてください!」
「ユーの指先一つで、イ軍オタ1000万人(適当)のメンタルが救われるんやで!」
「城戸は重傷で今シーズン無理というニセ診断書を書いてくれるだけで、イ軍の戦力が5割はアップするんや!(震え声)」




