【イ軍編40】中止中止詐欺
春先のマ軍―イ軍戦。
イ軍本拠地の新宿スタジアムで開催予定のこの試合、当日朝から散発的に雨が振り、開催が危ぶまれていた。
しかしながら、開催可能か否かについては「ぎりぎり開催できる」という新宿スタジアム側の回答。これを聞いたイ軍不二村監督は一計を案じた。新スタと組んで、対戦マ軍に、「試合出来なさそう」というニセ情報を流し、油断したところで試合開催を宣言、戦う前から心理的に優位に立とうというのである。
果たして、マ軍監督に挨拶に行くと見せかけて、不二村自らがマ軍主力連中に「今日は試合難しいかもなあ」と、中止なんじゃないの?感を煽りまくった甲斐もあり、マ軍全体に微妙に弛緩した空気が蔓延。「今だ!」とばかり、不二村は試合開始をマ軍に通達するようイ軍球団職員に手配し、今日の勝利の予感にドヤ顔を浮かべるのであった。
だがしかし、事態はとんでもない方向へ展開。
「ちょ、一体どうなってやがんだゴルァ!!!!」
自軍ベンチに戻って思わず悲鳴を上げる不二村。
何と、前述の中止中止詐欺にマ軍ナイン以上に引っ掛かったイ軍ナインは、油断するどころか早々に試合中止と決めつけ、一杯引っ掛けに夜の街へ。ベンチ内はもぬけの空だったのである…。




