【イ軍編2801】他球団で捕手失格認定されてたニキを蘇らせた男たち
かつてサ軍で正捕手待ったなしと将来を嘱望されながらも、時の監督にリードの拙さを散々指摘された事でノイローゼからのサインの指が出せないイップスとなり、外野手に転向させられた宇田。鬱屈したものを抱えながらのプレーは当然のようにパッとせず、流れ流れて現役13年目にして、最弱イ軍に拾われる格好となったものである。
加入当初、左翼手として出場していた宇田であったが、正捕手綿貫と第二捕手赤田の故障により、急遽、捕手として先発。その試合、打者一巡までは指が強張り、おっかなびっくりのリードであったが、次第に力強いサインを繰り出すようになったのであった。
そして試合後の宇田インタビューで、感動の真相が明らかにされたのである。
「え? サイン出せてた!? ――――いやあ、もう無我夢中でやっとりましたからね。本人的には全然意識が無かったですわ。ちょっと動画見せてもらってええでっか? ……うーんこれはサインじゃないね。ほら、全部指一本でっしゃろ。結局0-15で負けたし、何投げても打たれるわ歩かせまくるわ当てまくるわ(死球)で、もうガンギレオブガンギレ、ファッキュー(上向き中指)orゴートゥーヘル(下向き親指)のループでしたわ(震え声)」




