【城戸編103】CG班会心リリーフ
シーズン序盤、サ軍―イ軍戦。
イ軍不二村監督が判定を不服としたベース持ち逃げによる退場で出場停止を喰らっているタイミングのこの試合。サ軍先発が通算30打数ノーヒットで大の苦手としている左腕三井とあって、「歩く不良債権」ことイ軍の4番兼打撃コーチ(笑)の城戸は、打率維持の為に自らスタメン落ちを決断。右腕リリーフが出てきた段階で満を持して「代打俺」をコールするべく、待ち戦法の構えに入ったのであった。
試合はサ軍三井が好投、そしてイ軍投手陣が大炎上した事で、弛緩した空気が蔓延。サ軍の攻撃があまりにも長引いたが為に打撃コーチ(笑)の城戸もやる事がなく、
「ちょっと裏で素振りして代打の準備をしてくるわ」
と言い残し、控室にモンハンをやりに戻ったのであった。
その後、モンハンの合間に控室のモニターで試合経過をおざなりにチェックしていた城戸であるが、結局三井に完封喰らってイ軍の敗戦で終了。今日はどんな説教してやろうかしら、と考えつつ、城戸はベンチに戻っていったのであった。
ところが、球場ではとんでもない事が起こっていたのである。
三井のリリーフで登場した投手たちをイ軍が代打攻勢で打ち崩し、何と逆転勝ちをしてしまっていたのであった。
「まだ慌てる時間じゃない。城戸が代打俺してチャンスで(併殺に倒れて)何とかしてくれる」
というサ軍の思惑が完全に外れ、失ったリズムが最後まで戻らずにズルズルと打たれまくってしまった結果なのであった。
そう、城戸が眺めていた控室の完封動画は、代打俺によるチャンスぶち壊しを阻止するためのイ軍CG班渾身の一作、完全な捏造だったのである。この一勝でCG班にはホールド1のインセンティブが付き、イ軍球団から金一封が送られたのであった。




