【イ軍編2681】学習困難校レベルの野球しかしてこなかったワイが、マル秘ノートをこしらえたら打てるようになった!
データ完全拒否、己のヤマ勘のみを頼りにテキトーなスイングに終始する偏差値学習困難校系野球を繰り広げるベテラン打者、桜田。
サ軍の名物男として、首脳陣からも半ば治外法権のような形で代打に定着していたが、打力が衰えたと見るや、溜まりに溜まったヘイトが一気に噴出し、自由契約に処されたものである。
そこで慢性的な戦力不足に悩む最弱イ軍が、「ユー、サ軍にギャフソと言わせたいんやろ? マネーより大事なものがあるんやろ?」と、足元を見ながら一軍最低年俸で獲得。復讐心に燃える桜田は怨念MAXでサ軍投手陣に相対したのであるが、加齢による衰えは如何ともしがたく、凡退を繰り返してしまうのであった。
そんな折、小学校時代から一回もノートを取った事が無いという武勇伝を持つ桜田が、サ軍投手の投球時、何やら必死こいてメモを取っているのであった。
「えっ…!? 桜田が相手投手の球筋を勉強している…!?」
「ていうか文字が書けた事におったまげやで(震え声)」
てな感じで驚愕するイ軍の戦犯系ベテランズであったが、まさかの実際、代打成功率2割台中盤レベルで打てるようにはなっていったのである。
という状況で、ある日のサ軍戦、桜田が桜田ノートをベンチにうっかりポロリ。この状況を戦犯系ベテランズが見逃す筈が無く、
「みんなはワイのために。ワイはワイのために。サンキューサック!」
と、うわ言のようなフレーズを呟きつつノートを開いたところ、
「ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)ファッキュー○○(投手名)」
という記述が延々と続く真紅のロマンホラー(適当)。あまりの恐怖にベンチが凍り付く中、戻ってきた桜田が、
「――――見ちまったんか。これでユーたちと球場外での付き合いが始まっちまうなあ(プライバシー侵害で訴えるから示談交渉用のカフェか、こじれたら法廷で会おう)。そうやで、ワイは頭で理屈をこねくり回す小賢しい野球は好かん、ハートでプレーするタイプやから、こうやって相手を呪って打てるようになったんねん。地道に頑張るワイに、野球のゴッドも配慮してくれとるんやで」
尚、念の為、イ軍の霊能者兼野球選手である宜保愛甲がこっそり霊力鑑定したところ、桜田には霊力は全く無く、サ軍投手陣にも呪いは一切降りかかっていない事が判明。
「何ちゅーたらええのか、思い込みの力なんかねえ。『こんだけ頑張ったからワイは絶対打てる』みたいな恐ろしいセルフプラシーボ野郎やで」
からの、最弱イ軍特有の「エア自主トレ&手抜きキャンプで仕上がったガバガバボディでも何とかならぁ」に代表されるイ軍イズム(圧倒的慢心)に毒された桜田は、「何もやんないでも打てる」レベルまでセルフプラシーボを拗らせてしまい、代打成功率1割未満まで急降下で無事死亡。長年お世話になったサ軍に勝負所での代打凡退という恩返し(直球)をしてサ軍優勝試合にまで立ち会ってしまうとかいう屈辱を冥途の土産に、風のように解雇されたのであった。




